せんべい(あられ・おかき)豆知識


煎餅ってすごい

煎餅について記された最古の書は、「荊楚歳時記(けいそさいじき)」というものなんだそうです。もちろん中国です。(7世紀初頭)これによると、煎餅は正月七日に宮中で食するものだったそうです。
では、日本ではどうかと言うと、天平9年(737年)のものが最古の文献だそうです。
とにもかくにも、一千数百年の時をこえて、現代のわれわれに引き継がれているわけなんですね。
いやー、ありがたい、ありがたい。(参考文献:「老舗煎餅」小学館)


一言に「煎餅」といってもいろいろありまして

煎餅には、本ホームページが扱う米粉からつくるものと、小麦粉からつくるものがあります。
一般的には、関東では前者、関西では後者が主流の様です。
どちらが古いかは私は知りませんが、中国から伝わったのは小麦粉煎餅だという話もありますし、材料が明記された日本最古の文献も小麦粉煎餅の様です。
ということは、われらが米粉煎餅は、意外に新しいのか?


とにもかくにも米粉の醤油せんべいだ

まあ、どちらが古いかどうかは置いておいて、とにかくわれらは米粉派です。
で、米粉関係でも「せんべい」、「あられ」、「おかき」等と呼び方が色々ありますね。
スーパーの売り場では、だいたい「せんべい」と書いてあるコーナーにごっちゃに置いてあります。
ここで、区別を明確にしておきましょう。
困ったときの広辞苑頼みです。
広辞苑(第四版第一刷)(岩波書店)によれば、
あられ【霰】
・・・・霰餅の略。・・・・
あられもち【霰餅】
・・・・・(2)餅を四角・丸形・花形などに小さく切って煎り、醤油・砂糖などで味付けした焼菓子。あられ。おかき。

おかき【御欠】
(女房詞)かきもち。

かきもち【欠餅】
・・・・・(2)餅を薄く切って乾燥したもの。あぶり焼いて食う。(3)あられもち(物類称呼)

同じく広辞苑によれば、
せんべい【煎餅】
(1)塩煎餅のこと。・・・・・

しおせんべい【塩煎餅】
粳米(うるちまい)の粉を水でこねて蒸し、餅のように搗(つ)いて薄くのばしたものを丸く打ち抜き、醤油で付け焼きにした焼物菓子。

強引にまとめると、「せんべい」は「粳(うるち)米(普通のお米)」が原料、一方、「あられ・おかき」は「糯(もち)米」が原料。
この区別はどうやら明確ですね。ところが「あられ」と「おかき」の区別はどうも明確ではなさそうです。
ある米菓会社では、あられ(小さい)・おかき(大きい)と、サイズで分けているそうです。
種別 原材料 サイズ
せんべい 粳米
あられ 糯米 小粒
おかき 糯米 大粒


さらに製造工程にも違いが

原料が粳米と糯米で異なるので、製造工程に差が出ます。「工程5」が差のでる工程です。
せんべい(粳米) あられ・おかき(糯米)
工程1 洗米・水浸漬 同左
工程2 製粉・蒸米 同左
工程3 搗き 同左
工程4 成形 同左
工程5 型抜
冷蔵
切断
工程6 乾燥 同左
工程7 焼き 同左
工程8 味付 同左
工程9 包装 同左
(参考データ:亀田製菓ホームページ)


塩せんべい・あられ・おかきの売上は?

全日本菓子協会というところが、菓子種別毎の生産量・生産金額・小売金額を毎年発表しています。
そのデータのなかから、私の独断で、和生菓子・洋生菓子・チョコレート・スナック菓子、そして、 米菓(塩せんべい、あられ、おかき、等)を選び、平成6年から平成9年までの4年間の小売金額の推移を示したものが下のグラフです。
ほとんど、横ばいと言って良いですね。
データは、全国菓子協会発表の「菓子推定生産数量及び金額」

では、もう少し、昔と比べてみましょう。昭和50年のデータと平成9年のデータを比べてみたのが、 次のグラフです。
米菓の伸びが低いのが良くわかりますね。和生菓子・洋生菓子・スナック菓子は3000億円程度の伸びを示していますが、 米菓は500億円弱の伸びでしかありません。和生菓子は意外に健闘していますね。ちょっと、驚きです。
がんばれ!我らが米菓よ!
データは、全国菓子協会発表の「菓子推定生産数量及び金額」

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